ご多分に漏れず私の中学でも、8割方の先生は綽名で罷り通っていました。
河馬、下駄、亀、小芋、外米(細長い顔)などなど、その容姿とくに顔の印象からきたものが殆どでしたが、中には説明を聞かないと判らぬものや、聞いて思わず唸るような傑作もありました。
ⅰ)ポンプ・・・国語の先生。始業前に教室の外で待機しています。ベルが鳴り終わると同時に
入ってきます。恰もスイッチを押すとすぐに蛇口から水が出る電動ポンプみたいだと言うわけ で、この名がついたそうです。休み時間もオチオチできないと不評でした。
ⅱ)夜店・・・幾何の先生。毎回4問復習の宿題を出しておきます。教壇に立つと先ず白墨で黒 板に縦の線を3本引きます。小間が4部屋できます。1問に1名を指名します。指名された4名 の生徒は、各小間で円や三角形など図形を描き、補助線を引いたり等角・等線記号を記入し て証明します。文字を書いてはいけません。その後1人づつ支那竹を手に説明します。あたか も夜店に並ぶ店々を連想させるから不思議です。
ⅲ)現場・・・体操の先生。学期の中間・期末試験では、先生方が手分けし各教室に1名やって 来て監視します。生徒は現場監督と呼んでいました。監督は通常教壇から奥の壁に向かって 手を後ろに組んでトコトコ歩き、突き当たる手前で廻れ右します。黒板まで戻ると隣の通路を 同様に歩きます。処がこの先生、途中で突然クルリと向きを変えるのです。先生の歩きに合 わせて後ろの机の答案を覗き込んでいた生徒は間に合いません。カンニング一丁上がりで す。でも当時の罰は寛大で、組担任の先生からの説諭で終わりでした。
諸兄にも先生の綽名への様々な思い出があると思います。思春期の腕白坊主に立ち返ってぜひ聞かせて下さい。コメント欄で書き尽くせぬ方は、記事でどうぞ。