”闇夜とは云え、星空の野道では、 幾らかの遠目も利いて居たが、女生徒は ・・・
其の野の外れまで来て、追って居た人影を見失ってしまったのだった ・・・
次の夜も、 巡検後の静寂(しじま)は ・・・
例の語り口に依ってやぶられ、 物語は始められたので有りました ・・・
”一瞬 「どうしよう」 と途惑った女生徒だったが ・・・
持ち前の好奇心に駆られて、歩を進めたのだった ・・・
そして、気が付けば、辺りの気配は すっかり変わり果てて ・・・
周りには墓石らしきものが 立ち並んで居るのだった ・・・
改めて、 恐る 恐る 目を凝らして見回した時 ・・・
奥の方の 一郭が ほのかに明るい ことに気付いたのだった ・・・
そして, ひしひし と, 更なる 言い知れぬ怖さ を覚えながらも ・・・
何物かに惹き付けられるかのように ・・・
奥へ 奥へと 忍び入ったのだった ・・・
そして、明かり の近くに辿り着いた時 ・・・
物陰から覗いた彼女が 目にした光景 は ・・・
懐中電灯を地面に置き ・・・
シーツを頭から被って 蹲って居る人の姿と ・・・
其の前に 黒々と堀り開けられた 新墓の一角 だったのだ”
( つづく )