レイテ突入作戦後シンガポールに引揚げた四航戦(戦艦伊勢・日向)は、昭和20年2月10日現地の
戦略物資を搭載して日本内地に輸送すべく、大淀と駆逐艦3隻を護衛につけて出航。敵潜の攻撃
を避けて中国大陸沿岸沿いを北上する航路をとり、黄海を経由して2月10日無事に呉に帰投した
この行動は「北号作戦」と呼称されました。
兵62期堀之内芳郎少佐は駆逐艦「蓮」艦長として大陸沿岸を行動中、福州沖の島陰から忽然と
現れた四航戦の隊列と遭遇、この危険水域をよくぞ無事にという敬服と、粛々と航行する戦艦群
の威容に感激のあまり、護衛に加わる決意をもって近付いてゆくと信号で「タレ、タレ」ときた。
「ワレ蓮、只今ヨリ貴隊ヲ護衛セントス」と信号を返してしばらく併走を試みたが、速力の差は
如何ともし難く30分程で振り切られてしまつた、というエピソードを、伊勢会記念誌「軍艦伊勢
下巻」に寄せられています。
堀之内艦長の心意気を偲びながら、四航戦の雄姿を再現してみました。
↓ 北号作戦行動中の四航戦伊勢・日向
↓ 戦艦伊勢呉軍港の夜明け