厚岸を再たび訪れ、心を込めて写真を撮り直しました。
初めて碑の裏面を見、読みました。
昭和19年(1944)3月16日釧路港を出港し、中部千島に向かった陸軍の
輸送船が釧路沖で米潜水艦「タウトグ」のレーダーにより攻撃され、日蓮丸、
護衛艦白雲が沈没しました。
乗員 日蓮丸 ・・・・ 死者2800余名 救出者 ・・・ 47名
白 雲 ・・・・・ 死者270名
軍機によって、悲しくも歴史に隠し流されていきました。戦後、妻、
遺族、関係者の執念努力によって40年の長き歳月を経て解明されました。
碑文は テルモピレーの碑文
『 ここを過ぎ行くものよ、ラケダイモンに行きて伝えよ
われらはラケダイモンの掟に従い ここに死すと 』 ------シモニデス------
ラケダイモンはスパルタの古代名です。
テルモピレーの碑文と、さぞや英霊が叫んで逝ったであろう言葉 ・・・
その思いを込めた 平和の碑文となっています。
碑の形状は、碑の所を舟形とし日蓮丸にみたてて、これを2本の石で支え、
英霊が船と共に海に浮かび上がって訪れる人々に会う形となっています。
右側に沿う様に立っている石は、護衛駆逐艦白雲で 日蓮丸と共に沈んだ
今も守っている姿を示しています。
昭和62年、地元厚岸の人のみの有志4人の資金協力により、正行寺境内に
建立。 この碑は 高さ2.7m、 巾22㎝のオンコ(イチイ)の木の碑に
『輸送船日蓮丸・駆逐艦白雲 戦死者追悼の碑』 と書かれています。
正行寺は松の林に囲まれ、境内は広く、本堂は国の重要文化財として
由緒あるお寺となっています。
以後 平和の碑慰霊祭、正行寺法要が続けられております。
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