著者 金子香代女史は、故金子隆哉君の未亡人で、なかなかの才媛である。短歌では、「波濤短歌会」の第一同人で「日本歌人クラブ」会員。またエッセイでは、世田谷文学賞(随筆)3年連続受賞。その他毎日新聞や北海道新聞でも受賞している。
上流家庭に育った彼女の一生が、実に生き生きと、ユーモラスに描かれている。金子隆哉君の
生きざまもよく分かる。彼は有能な社員であったが、昭和47年1月、45歳で急逝(クモ膜下出血)。会社は彼の功績に対し社葬で報いた。
この本には、上流階級に育った彼女の戦前、戦後そして結婚から育児まで実に率直に語られている。金子君の結婚生活は、17年9ヶ月という短期間だったが、香代女史、更に一男一女を得て幸せだったと思う。(久保田 喬)
同著の発行所 ㈱ 文芸社 TEL 03-5369-2299